こんにちは、RIMIX事務局です。
地球規模の課題を知り、取り組むオンラインのアイデアコンテスト「RIMIXグローバルチャレンジ」のオンライン表彰式が2021年9月17日に開催され、グランプリが決定しました。
今回はコンテストの結果と表彰式の模様をお届けします!
「RIMIXグローバルチャレンジ」とは
「RIMIXグローバルチャレンジ」とは、本企画は、コロナ禍で海外渡航が制限される中、地球規模まで視点を広げ、課題に取り組むきっかけとして企画されたオンラインのアイディアコンテストです。コンテストだけでなく、審査員のご協力によって事前学習企画「Summer Session」「応募前相談会」も実施し、テーマに関する知識修得と組み合わせた一連のプログラムになっています。
ソニーグループ株式会社Sony Startup Acceleration Programとの連携プログラムです。
課題テーマ
A|難民問題
障がいを抱えた難民パラアスリートをサポートするアイデア
B|食糧問題
ルワンダで収穫した野菜やフルーツが無駄にならないためのアイデア
スケジュール
アイデア受付期間:2021年8月5日(木)~9月7日(火)
オンライン表彰式:2021年9月17日
応募数
A|難民問題 6件
B|食糧問題 22件
詳細
詳しくは、RIMIXグローバルチャレンジ特設サイトをご覧ください。
https://r-rimix.com/archives/global_challenge/\
RIMIXグローバルチャレンジ 表彰式
9月17日に行われた「RIMIXグローバルチャレンジ表彰式」では、A・Bそれぞれのテーマで最も優れたアイデアをグランプリとして発表しました。
A|難民問題
障がいを抱えた難民パラアスリートをサポートするアイデア
グランプリ
マッチングシステムの活用による個別最適なアスリート環境の能動的構築支援
チーム名:ジャッカル
アイディア概要:
東京パラリンピックにおける「難民選手団」始め、難民パラアスリートのメダル獲得はありませんでした。私は、難民パラアスリートを取り巻く環境が近年の急速なパラスポーツの競技力向上に対応できず、取り残されてしまう前兆を感じました。「難民選手団」始め、難民パラアスリートの参加はそれだけで素晴らしいことに疑う余地はありませんが、勝敗結果は与える希望の大きさも全く違います。パラスポーツはその特殊性故に、練習環境やサポート体制の差が結果に直結しやすいように感じました。そこで、難民パラアスリートが自らの手で個別最適な理想的アスリート環境を構築できるように、難民パラアスリートと様々な支援者の点を的確に結ぶためのマッチングシステムを提案します。
審査員コメント:飯野 真理子さん (元NHK報道局ディレクター)
支援の環境を作り出すというビジョン、得意分野で様々な人が貢献し合えるプラットフォームを作り出すという点を高く評価させていただきました。支援団体がすぐ活用することができ、実現度が高いです。また、支援の形も困りごとの形も多様なので、関わり方の自由度が高いという点もよいと思いました。そして、方向性を同じくする人たちが集えるというのが、様々な国から集う家族的な要素のある「難民選手団」始め、難民パラアスリートにフィットしていると感じました。また、支援の輪が広がるため、情報発信に寄与する点もよかったです。
受賞チームコメント:代表 廣江 永さん(立命館大学大学院 生命科学研究科修士2回生)
今回、自身の今後のキャリアとも関係があることから本プログラムに挑戦しました。これまで検討したことのない新しいテーマを考えることができて勉強になりましたし、グランプリを受賞することができて嬉しいです。
B|食糧問題
ルワンダで収穫した野菜やフルーツが無駄にならないためのアイデア
グランプリ
手軽でエコな、防虫効果のある紙緩衝材!
チーム名:Cosmos
アイディア概要:
出荷から運搬の間で発生する収穫後損失について考えた。箱詰め作業で時間を優先し、雑になることで野菜が潰れたり、虫被害を受けたりするという課題である。
解決方法は防虫効果のあるハッカ油を組み合わせた紙素材の緩衝材を提案する。クラフト紙をクシャクシャに丸め、ハッカ油を数滴垂らした緩衝材を、野菜と一緒に箱詰めする。これより下方の野菜は潰れにくく、上方の野菜にも虫が寄りにくい。
原料の紙とハッカ油はルワンダでも自給が容易で安い。紙を丸めて入れるだけだから、箱詰めする生産者も低コストで実施できる。紙素材だから再利用可能で廃棄も簡単、これは環境志向でプラスチックの使用を制限しているルワンダと親和性が高い。
審査員コメント:イマニシムエ・サムエルさん (Kivu Cold Group Ltd.COO)
3つの審査基準を充たした上で、今ある流れや生活習慣への導入のしやすさ、という点が光っていました。また、これは意図していないかもしれませんが、ハッカは農業作業者の虫よけにも使えたり、ハッカ栽培という新たな産業にもつながったりと、本アイディアには収穫後損失以外にも波及効果を与えそうな余地があります。その点もポジティブに評価されました。
受賞チームコメント:小山 拳志さん(立命館大学 経済学部1回生)
チームメンバーの中で、大きなお金をかけたりするよりも、ルワンダの現状を知った上で手軽にできるものや、合理化できるものがよい、という意見で一致し、梱包材に目を向けました。まずはルワンダのことを知ることからはじめ、結果、グランプリを受賞でき嬉しいです。
江頭 楓さん(立命館大学 経済学部1回生)
検討の過程で、何度も議論を重ねてたくさんのアイディアを出すことができました。今回は、その中から3つのアイディアに絞り込み、応募しました。その中でこの案がグランプリを獲得することができ、嬉しく思っています。
総評:宮崎 雅 さん(Sony Startup Acceleration Program)
今回、受賞アイディアはもちろんのこと、他のアイディアも素晴らしいものでした。今回設定されたテーマは身近ではなかったかと思いますが、どれも大いに想像力、発想力を働かせて生み出されたものだと感じました。世界に今何が起こっているか知ろうという姿勢はとても大切です。そして知るだけではなく、世界の課題を解像度高く捉えて、自分に何ができるか、と考える、そのようなきっかけに今回のイベントがなればと思います。我々は、日本にとどまらず世界課題へチャレンジする、そういった志を持つ方を応援していきたいと考えています。これからまたそのような場面でお会いできるのを楽しみにしています。
堂道 有香さん(Sony Startup Acceleration Program)
私は長年国際NGOで過酷な生活をする人たちを多く見てきました。最近はSDGsという言葉があまり意味がなく使われている場面もありますが、SDGsスローガンの「誰一人取り残さない」という「誰」には個人の名前があります。みなさんは誰を思い浮かべるでしょうか。私の大切にしている「すべての人々に何もかもはできなくとも、誰かのために何かはきっとできる」という言葉がありますが、誰でもできることは必ずあります。今回は、お金の寄付ではなくても、アイディアの寄付になったのではないでしょうか。これからも世界に目を向け続けてください。
オンライン表彰式では、グランプリ受賞チームのアイディア以外にも、面白かったアイディア、心に残るアイディアが共有されました。
課題と共にある人たちへの想像力を働かせ、多数のアイディアを応募いただいたみなさま、ありがとうございました。
これをきっかけに、次は実際にアイディアを形にすることも始めてみてはいかがでしょうか。きっと違う景色が見えてくるはずです!