こんにちは、RIMIX事務局です。
先日、Sony Startup Acceleration Program(SSAP)と連携したRIMIXプログラムとして、総長ピッチ2020/SSAPワークショップを開催しました。
6月21日・7月4日には、伴野智樹氏をお招きして「新たな社会を考える!アイデアソン」を開催し、6月28日には、伊藤羊一氏をお招きし「未来の可能性を探る!マインドセットワークショップ」を開催しました。
今回は、これら2つのワークショップに参加した立命館大学の1回生3名をお呼びして、グループインタビューを行いました。ワークショップの実施報告とともに、インタビューの模様をお伝えします。
話し手
大久保亘哲さん(立命館大学理工学部1回生|アイデアソン参加者)
山田龍治さん(立命館大学経済学部1回生|アイデアソン参加者)
三浦紘太さん(立命館大学経営学部1回生|マインドセットワークショップ参加者)
聞き手
冨田沙樹・上田隼也・吉武莞(RIMIX事務局)
新たな社会を考える!アイデアソン
6月21日・7月4日に開催した「新たな社会を考える!アイデアソン」では、日本最大級のアプリ開発コンテスト「Mashup Awards」の元事務局長で、毎年数々のアイデアソン等のイベント運営を行う、スーパーエンジニアの伴野智樹氏をお招きして、オンラインでのアイデアソンを開催しました。当初は1日のみの予定でしたが、多数の応募をいただき、急遽第2弾を開催する人気のイベントとなりました。
アイデアソンのテーマは「Beyond COVID-19 -新型コロナウィルス感染症がもたらす社会の変化から生まれる「新しい課題」を解決しよう-」とし、様々な分野の社会課題を解決するアイデアを、オンラインながら初めて会ったチームで、ユニークなアイデアがたくさん生み出されました。
アイデアソンでは、Zoomでのビデオ通話に加えて、miroというオンラインのホワイトボードサービスを使用しました。チームで付箋を貼ったり画像を貼ったりしながらアイデアを膨らまし、ワークの最後には、1チーム2分間での発表を行いました。
アイデアソンの100秒ダイジェストはこちらから!▼
未来の可能性を探る!マインドセットワークショップ
6月28日に開催した「未来の可能性を探る!マインドセットワークショップ」では、ヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト・Yahoo!アカデミア学長・株式会社ウェイウェイ 代表取締役・グロービス経営大学院 教員など多岐にわたる分野でご活躍されている伊藤羊一氏を講師にお招きしました。伊藤羊一氏といえば『1分で話せ』『0秒で動け』などの著書で、ベストセラー作家としても活躍されています。参加した学生の中にも伊藤さんのファンがいらっしゃいました。こちらも60名以上の方にご参加いただき、大好評のワークショップとなりました。
ワークショップでは、伊藤羊一氏によるレクチャーを受け、自分のこれまでの人生を振り返る「ライフラインチャート」を記入。これをもとにして、初めて会ったグループメンバーで、ライフラインチャートを元に自分の人生のアップダウンの経験を話し、「対話」を行うことで、客観的に自身の経験を振り返りました。そして、自分の価値観のベースとなっている「譲れない思い」が何なのかを探り出しました。
マインドセットワークショップの150秒ダイジェストはこちらから!▼
受講した1回生3人にインタビュー
今回取材に協力していただいたのは、ワークショップに参加していただいた、立命館大学1回生の3人です。
山田さん・大久保さんはアイデアソン、山田さんはマインドセットワークショップにそれぞれご参加いただきました。
―ワークショップを受講してみて、どうでしたか?
三浦 マインドセットワークショップを受講しましたが、普段受けている大学の授業よりも本質的な学びのある講義だったなと感じました。1回生なので、ほとんどの授業は語学か、スキルや知識を学ぶようなものがほとんどで、スキルなどは社会人になってからでも身につけられるものなのかなと思っていました。今回のマインドセットのお話は、大学生の時期だからこそ、これからの方針形成をしていく上でとてもいい指針になった気がします。
大久保 私もそう思います。ワークショップの中で発表する機会があって、実際にレクチャーを受けながら、他の人のプレゼンも聞きました。自分も発表をしましたが、プレゼンの場を自分の中で振り返ることができ、とても今後につながるいい機会になりました。
山田 僕は友達と一緒にワークショップに参加しました。今回のワークショップに参加して、大人が学生の可能性を信じてくれて、真剣に自分たちのためにやってくれているのがとても有り難いと感じました。自分の中で、大人が学生の可能性を信じてくれるのがあまりないことだなと思っていたので、とても嬉しいなと思いました。
―はじめて会ったグループメンバーと、自身のアイデアや自身の人生を話すようなワークショップだったと思います。
三浦 いまは授業が全部オンラインで、ディスカッション型の授業もあって、ほぼ初対面の人と喋ることも多いので、意外と慣れている気がします。特に1年生は、会ったことない人と喋る機会も多いので、そんなに抵抗なく参加できました。
大久保 グループワークでは時間制限もあったので、議論していくうちに議論の対立が生まれたりすると、オンラインだと特に誰も喋らない時間が生まれたりして、うまくアイデアがまとまらなくなってしまうこともあり、そこは大変な部分でした。
―みなさんは元々、社会課題や起業などに興味がありましたか?
大久保 私は高校の時は、起業には興味なかったです。それよりも高校の時は、受験などもあって、まわりからの抑圧を感じていました。例えば、何かに対しておかしいなという考えがあっても、先生から答えを押し付けられているような感じがありました。そういった疑問を言語化して、アイデアソンを通して自分でアイデアを生み出せるのではないかと思って、参加しました。
山田 僕は、中学の頃から社会課題や起業に興味があって、中学生の時に文科省の「トビタテ!留学JAPAN」プログラムに参加して、世界基準のおもてなしをオーストラリアに学びに行きました。大学生になって、本格的にそういった自分のやりたいこと、学びたいことをとことんやれるのではないかとワクワクしています。
三浦 僕は特にやりたいこととかはなかったですが、今回のワークショップみたいに「やってみて面白かったらいいな」と思って、時間があるいまの期間に、色々手を出してやってみています。具体的な、自分が解決したい課題にはまだ当たってないですが、今回のワークショップを通して、問題が見つかったときに考える基準が身につきました。自分の中のツールや武器として、今後役に立ってくる気がします。
―6/28に実施したマインドセットワークショップは、とても学生さんの反応が良かったです。参加していただいた方のうち、事後アンケートに回答していただいた32名の方の回答をみると、84%が「とても満足した」、16%が「まあまあ満足した」と回答しており、とても満足度の高い結果となりました。
三浦 伊藤羊一さんのファシリテーションが素晴らしかったのももちろんですが、僕ら自身の課題意識みたいなものがどこかにあって、それがとてもマッチして、満足度が高かったんだと思います。あんまり自分の経験を他人に話すというのはないですし、僕自身は自省することはよくやっていますが、他の人の話を聞く経験はないので、そこが一番新鮮でした。ライフラインチャートでは、人生の浮き沈みを書きましたが、割とうまい具合にいっていると思ったら、誰しも下がっている部分、挫折を経験していて、そこは発見でした。ワークショップを通して、もっと他の人の話を聞いてみたいなと思いました。
大久保 残念ながら参加できませんでしたが、すごく参加したかったです。いまの話を聞いて、さらに参加したくなりました(笑)
―6/21・7/4に実施したアイデアソンでも、アンケートの結果を見ると、どちらも9割以上の方が「とても満足した」「まあまあ満足した」と回答し、こちらも満足度の高い結果となりました。一方で、オンラインでのアイデアソンが大変だったという声もありました。
大久保 私はmiroを使ってアイデアソンをするのは2回目でしたが、やっぱり使い勝手には戸惑いました。チームの中にも、miroを使うのが初めてだという人も多くて、そのあたりは大変でした。ですが、アイデアソン自体は初めて会ったチームながら、共通の課題に対してアイデアを出し合って、チームのメンバーとは連絡先を交換してつながることができてよかったです。
山田 miroを使うのは初めてで、使い方がわからない部分もありましたが、それなりに使えたかなと思います。ワークショップは参加のハードルが低かったですが、アイデアソンは実際に事業アイデアを初めて会ったメンバーで創り出すもので、難しかった部分もあったと思います。その点、マインドセットワークショップは、自分のことについて振り返って、対話を進めることができたので、満足度としては高くなったのかなと思いました。
―みなさんは1回生で、入学してからずっとオンライン授業で「大学ってなんだろう」と考えることもあると思います。皆さんは積極的にチャレンジしてみようとして、今回のワークショップにも参加いただいていると思いますが、他の学生の雰囲気はどうでしょうか。
山田 僕は「挑戦」ということに関して、いまはすごく二極化しているのではないかなと思います。「挑戦」することってとてもワクワクすることだと思っていて、挑戦することでこれからの未来を楽しむことができると思います。若者の挑戦しない文化を変えて、興味のない層、やりたくてもできない層に、もっと簡単にチャレンジをしてもらえるようにできたらいいなと思っています。
三浦 僕はチャレンジしていない方の層だと思うんですが、コロナ禍で感じるのは「コミットできるもの」が見つけられていないことがあるのかなと思っています。家でただ動画を見たりゲームをしたりと、生産的じゃない時間を過ごしていることに不安を感じている人も、僕含めて多いと感じています。バイトもサークルもなかなかできていない現状で、大学がオフラインで始まって、それらの活動にも積極的に参加できるようになるまでに、こういったコミットできる場があるのはとても有り難いです。
山田 新しいことをやろうと思ったときに、絶対に1人じゃ踏み出すのは無理だと思うので、そういう挑戦できるコミュニティは大事だなと思います。そういうことを考えるのに、「友達」ではない違う関係が必要で、未来のことを考えるのに必要なのは「仲間」だと思うので、未来を一緒に考えられる、友達とは別のコミュニティが必要だと思います。そういう意味で、ワークショップのような場は増えたらいいなと思います。
―コロナ禍の中でオンラインで授業を受けたり、今回のワークショップに参加したりして、なにか感じたことはありますか?
大久保 大学入ってすぐの時は、授業もオンラインになって、いわゆる怠惰な生活をしていました。今回のアイデアソンをきっかけに、オフラインで人と人で対面して話すよりも、議論を戦わせることにハードル下がったのかなと思います。変なことを言っても、物理的に殴られる心配がないですし(笑)
山田 オンライン授業には、やっぱり満足できていません。体感的には、オフラインの1/3の量と質だと思います。でも、大学の先生たちがすごいのは、学びを究極に追求した人たちなのかなと。大学だからこそ、もっと先生方と話して、もっと現実社会にしっかり密着した、社会のリアルに根ざした学びをしたいなと思っています。まさに社会実装のような形で、インプットだけじゃなく、アウトプットする機会が増えたらいいなと思います。
―これからのRIMIXの取り組みに期待するものはありますか?
三浦 ふだん大学にいれば、ただ友達と喋ったりして他人との意見交換をスムーズにできていると思いますが、オンラインになってそういった時間が失われている気がします。オフラインであっても、学部間のつながりもてる企画や、そういった場があるといいのかなと思います。またRIMIXの面白い企画があったらぜひ参加したいです。
大久保 いろんなものがオンラインになって、コミュニケーションにしにくい部分ももちろんありますが、逆に身体的にもフリーになって、コミュニケーションしやすい部分も多くあると思います。オンライン・オフラインの両方の強みを生かした取り組みが増えていけば嬉しいです。今回のアイデアソンのようなワークショップをぜひ続けていってほしいです。
山田 実は僕の一番大きな将来の夢が「アメリカ大統領になれるくらいの能力を身につける」ことなんです。昨年の大晦日の立命館の広告にはビビッときました(笑)これくらい一般の人にはできないだろうという大きな夢を掲げているのがカッコいいなと。実際に夏に県の議員インターンに行くので、まずは小さなゴールから叶えていきます。その中で、RIMIXの総長ピッチなどにも参加して、ビジネスマインドも身につけて行きたいと思っています。
―素晴らしい夢ですね。そしてRIMIXの取り組みにご期待いただき、ありがとうございます。今後のRIMIXの取り組みの中で、皆さんのお話を生かして、さらに充実したプログラムにしていきます。90分にも及ぶ、とても充実した取材になりました。今回は取材をお受けいただき、そしてワークショップにご参加いただきありがとうございました。
三浦 大久保 山田 ありがとうございました!
RIMIXでは今回実施したワークショップをはじめ、様々なプログラムを実施していきます。引き続き、RIMIXのプログラムにご期待下さい。