【新連載】No One Will Be Left Behind 〜誰一人取り残さない〜#0 多様な視点から見るこれからの社会

皆さんこんにちは! Team RIMIXライター・立命館大学理工学部3回生の徳田祥吾と、立命館大学経営学部3回生の西村龍羽です。

今回から、Beyond COVID-19 Official Blogでは「No One Will Be Left Behind – 誰一人取り残さない」という新連載をスタートします!

第1回目は「No One Will Be Left Behindとは」「ブログを始めるに至った経緯」「No One Will Be Left Behindというテーマに関する立命館大学内の取り組み」「これからの新連載について」を話していきたいと思います。

No One Will Be Left Behindとは

今回から始まる新連載「No One Will Be Left Behind – 誰一人取り残さない」は、障害を持った方や留学生など、あらゆる視点を持った方から見た「生活を快適にするための仕組みやツールを発信」し、多くの方に「誰一人取り残さない社会について考えていただく」ことを目的としています。

また、実際にインタビューを行って「誰一人取り残さない」という視点で活動されている方々の生の声を聞くことによって、多くの方に新しい視点やこれから生活する上で参考になるような記事を書いていきます。

それでは、このブログのタイトルである「No One Will Be Left Behind」という言葉について説明します。

記事を読んで下さっている方々の中にはSDGsに興味のある人も多いのではないでしょうか。SDGsとは2015年に国連にて採択された、2030年までに達成する社会の目標のことです。英語ではSustainable Development Goals で、その頭文字をとってSDGsと言います。

そのSDGsのスローガンが「No One Will Be Left Behind」です。日本語では「誰も取り残さない」という意味になります。

これが設定された背景は、SDGsの前身である、ミレニアム開発目標(MDGs)にあります。

2000年に設定されたミレニアム開発目標(MDGs)では、2015年を達成期限とした社会問題の解決に対するゴールが定められ、一定の成果があがりました。一方で、MDGsが対象としていたのは南半球を中心とした発展途上国でした。しかし、先進国においても貧困に苦しんでいる人や差別に苦しんでいる人など、救うべき人は沢山います。そうした現状を受け、地球上のすべての人をターゲットにしたのがこのSDGsです。

すべての人、という強い思いが「No One Will Be Left Behind」に込められています。私たちはこの理念に共感し、タイトルに設定しました。

ブログを始めるに至った経緯

次に、このブログを始めることになった経緯についてお話します。

徳田

新型コロナウイルスが全世界に蔓延し、オフラインで積極的に活動することができなくなった今、オンラインで何かしようと考え、立命館大学Sustainable Week実行委員会がゴールデンウィークに企画したオンラインライブイベント「Sustainable Week LIVE」というイベントに参加しました。

「Sustainable Week LIVE」とは、立命館大学の学生が主体となって、自分たちが発信したいことをYouTube LIVEを用いて発信するという企画です。

この企画の一企画を担当させていただいたのですが、そこで「視覚障害者の方、動画内で扱われている言語が分からない方、聴覚障害者の方は配信を満足に見られなかったのではないか」と思ったことがこのブログを始めるきっかけとなりました。

現在、YouTubeを見る際に「字幕機能、翻訳機能、遅延機能を使わない人」は使う人と比べて「圧倒的に多い」と感じています。しかし、視覚障害者の方や動画内で扱われている言語が分からない方、聴覚障害者の方にとって、動画を見る際に「字幕機能、翻訳機能、遅延機能」を用いることは必要不可欠です。

私がSW LIVEで行った企画では、この3つをどれ1つとして考慮できていませんでした。そこで、YouTube配信なら閲覧者がYouTubeの字幕機能、翻訳機能、遅延機能をわざわざ使おうとしなくても見やすい配信にすべきなのではないかと考えました。

西村

私は参加者として、Sustainable Week LIVE の放送を見ていました。その後、徳田さんとお話する機会があったのでこの思いや課題意識を聞き、共感しました。私は大学でいくつかピア・サポート団体に所属して活動しています。

ピア・サポートというのは同じ学生の視点から学生を支援する活動を言います。そこでは、相談に応じたり、対策について一緒に考えたりと、個人1人1人と関わる活動が沢山あります。コロナの影響で大学も休校になり、現状が見えなくなることでサポートができないことを気にかけていました。また、学生にスポットが当たりがちですが、授業をされる先生方や大学で仕事をされる職員の方々も同様に困っている状況にあることを認識していました。

こうした、あまり認識されていない人たちへのアプローチをすることの必要性を感じたことが、徳田さんの課題意識に共感した理由です。

2人の課題意識が一致

2人で話す中で、自分達が感じている課題意識に限らず、普段生活する上で私たちの身近には「教授の話すスピードが早過ぎて聞き取れなくて困っている」「日本語に不慣れで情報収集に困っている」「オンラインに対応できない」など、困っている人がたくさんいることに気付きました。以上のことから、普段の生活からあらゆる立場の人から見た「生きにくさ」、「生活しにくさ」を分析し、解決していくことが必要であると考えました。

そのため、それを解決するための仕組みやツールを調べ、発信していきたいと考えました。障害を持っているから、海外から来たからといったことで活躍、参加できない社会を作ってはいけないと思っています。そして、普段何気に過ごしているだけでは気付けないこと、声をこれから拾っていきたいと考え、このブログを始めるに至りました。

No One Left Will Be Behindというテーマに関する立命館大学内の取り組み

今回は第1回目ということで、私たちが所属している立命館大学内での「誰一人取り残さない」のスローガンに関する取り組みについて紹介させていただきます。

立命館大学内の取り組み 内容
障害学生支援室

Disability Resource Center (DRC)

http://www.ritsumei.ac.jp/drc/

障害のある学生への修学支援に関わる総合窓口として、障害学生支援室を設置している。障害学生支援室には、専門のコーディネーターが常駐し、多様な学生の支援ニーズを聞き取り、大学で修学しやすい環境に調整している。また教職員および学内支援関係者に対し支援技術や関連情報の提供などの相談にも対応している。
Student Success Program (SSP)

http://www.ritsumei.ac.jp/ssp/

学生「一人ひとり」が正課と課外すべて学生生活を通じて学びの主体として「自立」し、最大限の「成長」を遂げられるようになるための学生支援。学生生活の充実に向けた取り組みを実施している。
Beyond Borders Plaza (BBP)

http://www.ritsumei.ac.jp/bbp/

国境の壁、文化の壁、言葉の壁、価値観の壁など、様々なBorderを超えて繋がりを生み出し、共に学ぶ、国際交流や言語学習をコンセプトにした空間を設置している。授業外の時間帯に学生が利用できるスペースを提供し、自由な空間で仲間とともにグローバルな素養を高める中で、「多文化協働」できる人材を世界に輩出することを目指している。

これから投稿する記事について

最後に、今後の記事の方向性について説明して今回の記事を終えようと思います。私たちは、「誰一人取り残さない」のテーマに関する活動をされている立命館大学内外の研究者、起業家の方にインタビューを実施し、紹介していきます。

また、私たちはこの「No One Will Be Left Behind – 誰一人取り残さない-」を通じて、読者の皆様に立命館大学内に限らず外部の方々の取り組みについてより深く知ってもらいたいと考えています。そして、読者の皆様に様々な視点から見たこれからの社会に必要なことなど、多くのことを考えていただくきっかけとなるコンテンツを作っていきたいと思っています。

次回からはインタビューをした上での記事投稿が始まります。ぜひ、ご覧ください!

ライター紹介

徳田 祥吾

立命館大学 理工学部 ロボティクス学科 3回生

京都府出身。立命館大学Sustainable Week実行委員会、カラーガードサークルLUSTERに所属。「誰一人取り残さない」をテーマに様々な視点から、色々な立場の人が生活しやすい環境、ツール、仕組みを作りたいと考えている。

西村 龍羽

立命館大学 経営学部 国際経営学科 3回生

京都府出身。サービスラーニングセンター学生コーディネーター、SSPピアサポーター、国際寮RM、短期留学生バディに所属。支援者自身も成長できるピア・サポートの実現に向けて活動中。