【プロジェクトレポート】 SW LIVE:ビヨンドコロナ後の大学生とキャリア 実施報告

こんにちは、立命館大学スポーツ健康科学部4回生の亀石弥都です。

5月1日から6日の5日間にかけて行われたSustainable Week LIVE(以下SW LIVE)の主催団体、立命館大学Sustainable Week実行委員会に所属しています。
SW LIVEに関しては、これまでBeyond COVID-19サイトでも多く掲載していただいていますのでこちらからご覧ください。

https://r-rimix.com/covid19/tag/sw-live

今回実施した企画の概要です。

ビヨンドコロナ後の大学生とキャリア~コロナで変わる教育改革~
日時|2020年5月3日(日)12:00〜13:00
場所|YouTube Live(Sustainable Week実行委員会公式チャンネル)
出演|仲谷 善雄氏(学校法人立命館総長)
北元 柊人(SW LIVE総合企画責任者/ 立命館大学政策科学部2回生)
岸本 俊輝(立命館大学理工学部4回生)
一瀬 優菜(立命館大学経営学部4回生)
中島 綾香(立命館大学経済学部1回生)

【SW LIVE】ビヨンドコロナ後の大学生とキャリア -予測不能な社会に立ち向かえ- ジャンル オンラインプロジェクト  提供  学生団体  対象  一般公開(どなたでもご参加いただけます) ...

なぜテーマを大学生とキャリアにしたのか

今回の企画のポイントを「大学生とキャリア」に置いたのは、このような情勢になったことで、改めて自分自身のキャリア、大きく捉えれば人生を考え直す機会が得られたことにあります。
この期間を通して、世の中に「絶対」という言葉はないことを改めて思い知らされ、大学生の4年間をどう過ごすかはかなり重要だと感じました。
企画当初は就職活動の話をメインに盛り込んでいましたが、前日に行われた企画の様子も見つつ、諸々の調整が入ったことで、より広義的な意味での「キャリア」や「大学生活」の話を盛り込み、出演する学生も急遽増やして実施することにしました。

そして、企画のゲストとして仲谷善雄総長に出演していただきました。仲谷総長への出演依頼は1週間前と急な依頼となりましたが、快く出演依頼を引き受けてくださいました。仲谷総長も、諸行事が中止となり、さらに4月上旬の緊急事態宣言発令以降の学生の様子を非常に気にかけてくださっており、この機会に学生の生の声を直接聞きたいとおっしゃっていました。

自粛期間中の過ごし方とやるべきこと

冒頭は自粛期間中の過ごし方について話し合いました。
3Dプリンタを使って物をつくったり、小論文をチームで書いたり、検定の勉強をしたりと出演した学生の過ごし方は様々だった印象です。

仲谷総長はこの機会に立命館大学のホームページを隅々まで見返したり、人文社会学系の論文を読まれていたそうで、学生におすすめのページも紹介してくださいました。特におすすめいただいたのが、立命館大学父母教育後援会の「アカデミック講演会」サイト。父母教育講演会が主催する1日キャンパスで行われる「アカデミック講演会」では、各学部の先生方が講演を行っており、現在その動画がサイトでアーカイブされているといいます。
http://www.ritsumei-fubo.com/events/academic-lecture/

この自粛期間中だからこそできることとして仲谷総長は、
「こういう予測し得ないことは今後も起こりうる。普段から様々な状況を想定して、自分は何をしたいのか、何をやろうとしているのかをもう一度考えた上で、今自分にできることは何か、何をやっておかないといけないのかもそれぞれの立場で考えてほしい」
とアドバイスを送りました。
さらに、
「一人では煮詰まるのでいろんな人と繋がりながら、『のたうちまわって』ほしい」と、学生に積極的に活動してほしいとコメントしました。

コロナ禍のグローバルと学術研究

出演していただいた一瀬さんは国内インターンや留学に行くため、今春から1年間休学予定だったものの、コロナ禍の影響でキャリアプランの変更を余儀なくされた学生の一人です。

そんな彼女は仲谷総長に「海外経験や留学ができない状況の中で、国内でできることは何か」と質問。
これに対し仲谷総長は「海外に出かけることが全てではなく、日常生活のグローバル化を進めていくことも大事。自分の心の中にあるボーダーを取り外し、違う形で自分のやりたいことを見つけることもできるはず」と柔軟に考えていくことが大事だと話しました。

大学院へ進学予定の岸本さんも研究への不安を覗かせます。
大学キャンパスでしかできない研究もあり、緊急事態宣言が延長されればキャンパス入構禁止期間も延長される可能性もあります。
そんな状況でやるべきことととして仲谷総長は、「これまでその分野で誰がどんなことをしてきたのか、先行研究の論文を多く読んでほしい。そして研究の課題や到達点がどこにあって、その中で研究の目的や手法を検討する基礎的な部分がもっとも大事でそれは大学の研究室でなくてもできること」と答え、また同時に社会に目を向けることも意識してほしいといいます。
「コロナ禍で様々な社会課題が浮かび上がる中、どんな人がどのような視点で課題解決をしようとしているかを知り、自分自身はその課題をどのように解決するかを考えていくことで、研究の深みも増していく」とアドバイスを送りました。

立命館とSDGs

立命館では2019年から立命館・社会起業家支援プラットフォーム「RIMIX」を立ち上げアントレプレナー育成をより推進し、近年ではグローバル教養学部、食マネジメント学部などを立ち上げてきました。

このような取り組みもあり、先日発表された「THE 大学インパクトランキング 2020 」において国内私大で1位の評価をいただきました。仲谷総長は、今後とも、研究成果などのアピールを進めていきたい旨を述べ、世界共通の言語である英語でもっと発信する必要があると訴えました。
さらに、仲谷総長は総長就任時より「SDGsは世界の共通言語」と話し、立命館内の取り組みをSDGsで見える化する取り組みを進めており、今後も立命館学園の重要施策として取り組んでいくことを強調しました。

仲谷総長から学生へのメッセージ

企画の最後に仲谷総長から学生に向けてのメッセージが送られました。
「先を読みながらは難しいが、大学としても教育研究の現場として本来やるべきことは何かを見直す良い機会になった。学生の皆さんもこの機会を使って、自分が本当にやりたいことは何か、その実現に向けて何ができるかを見つめ直してほしい。もう一つ大事にしてほしいのは、自分がやっていることややろうとしていることを社会にアピールすること。知の見える化を行い、志が同じ人たちと一緒にやっていくアピールをしてほしいし、ぜひ一緒に頑張っていきたい」

企画を終えて

多様な出演者がそれぞれ抱えた課題を共有し、どのように今後過ごしていくかを仲谷総長を交え話すことにより、同じような課題を抱えている学生にもヒントや気づきを提供できたのではないかと思います。
自分自身もディスカッションを聴きながら、予測不能な社会に立ち向かうために常日頃から準備をしていく重要性を認識できました。出演者の皆様には前日にオファーをした方も多くいましたが、快く引き受けてくださり感謝しています。
ありがとうございました。