日本を元気に!高校生による中高生のための「ビヨンド・コロナ・コンテスト」実施報告

こんにちは!立命館守山高等学校・GENIEです。

私たちGENIEは2020年5月31日までビヨンド・コロナ・コンテストを主催し、無事に終了致しました。協力して頂いた皆様、本当にありがとうございました!

これから何かチャレンジをしたい同世代の皆様にも有益な情報やノウハウになると思い、実施報告をさせていただきます。

1.概要

私たちは、2020年5月1日〜5月31日まで高校生が主催するオンライン上でビヨンド・コロナ・コンテストを開催しました。

日本を元気に!高校生による中高生のための「ビヨンド・コロナ・コンテスト」青春を奪った新型コロナウイルス。自粛の日々。甲子園やインターハイ、大会が中止になり、悲しみの声が聞こえます。 ただ自粛しているだけじゃ前に進めない。新しいことに挑戦しませんか? 全国の中高生よ、コロナに挑め...

このコンテストでは、全国の中高生からチャレンジ・ゴハン・オウエンの各部門に、コロナ期間に取り組んだことを中心にアイデアを募集しました。

最終的に、応募件数は81件でした。このコンテストに関する広報やイベント宣伝は、緊急事態宣言が発令されている中、SNSやマスメディアを中心に行いました。多くの方にコンテストを広めることができました。

また、審査員にはSDGs(Sustainable Development Goals)の有識者の方をお呼びしました!

表彰式はYouTube上で行い、受賞者には表彰状や副賞を贈りました。

2.目的

このコンテストの目的は主に3つです。

①インターハイや甲子園など、挑戦の機会を失い、辛い思いをしている中高生にもう一度挑戦できる場所を提供すること。

②コロナ期間の中高生の新たな挑戦を発信することで、日本に明るさをもたらすこと。

③キャリア甲子園が無くなり、他のコンテストが軒並み廃止になる中で、コンテストがなくなれば、高校生が作る側に立ち、有言実行すること。

3.実施に至るまで

対象は、日本全国の中高生とし期間は5月末までとしました。

コンテストのローンチの際は、立命館大学Sustainable Week実行委員会が、実施しているSW LIVEというYouTube LIVEを活用させて頂きました。そこでは、新型コロナウイルス感染症の影響で、中止になったキャリア甲子園のプレゼンテーションを行いました。

学校も休校になり、直接集まることができないという制約があり、慣れない状況で作業は効率はあまりよくありませんでした。私たちGINIEの中では、チームとしては異例のプロジェクトでした。

以下に、これからコンテストを実施しようと思っている中高生向けに議論された課題を記録しておきます。

3.1 応募方法

当初は、定番のGoogle formを使おうと思っていました。しかし、中高生は自分のメールアドレスを知らない人がいるという意見があったり、写真や動画を投稿するとなると自分のGoogleアカウントを持っていないと応募ができないという制約がありました。

そのため、今回はLINE Officialを使用することにしました。中学生はLINEしてないという意見もありましたが、保護者のアカウントでも対応できることや、Twitter instagramのアカウントなどでも、柔軟に応募を受け付けるようにすることで対応しました。

3.2 応募規約

応募規約は何度も改訂を繰り返しました。アドバイスを頂いている大学生から応募規約は、丁寧に書いたほうがいいという指摘を受けていたので、応募年齢や作品の規定、さらには作品の公表まで細かいことを書きました。コンテスト実施中に、細かく書いていて良かったと思えることが数回ありました。

3.3 ポスター/デザイン/HP

GENIEには、デザイナーがいたので、ほとんどのデザインを担当してもらいました。ポスターはKeynoteやIllustrator制作しています。プレスリリースとして、ポスターとともに長浜市役所に相談にいきました。チーム内で文章やデザイン、イラストというように細かく作業を分担し、1枚のポスターを作りました。このポスターを作るのに4日ほどかかりました。またHP制作は、主にリーダーの富岡が行いました。さらに、コンテストの企画を考えた次の日の夕方には、ある程度の大枠が完成し、その後に企画書を書いていくような流れになりました。

HPを作り、広報をしたからにはきちんと開催しなければならないという意味でコンテスト開催への起爆剤の役割もあったと今振り返ってみて思います。HP制作は、今回が2回目ということもあり、なかなかスムーズに行きませんでした。メンバーの廣田さんがパソコンを持っていない状態でしたが、デザインのお手伝いをしたいとのことだったので、Keynoteである程度デザインをしてもらい、それを共有して同時に同じファイルを作っていくような方式を取りました。同じファイルに書き込むので仕事がスムーズに進みました。作ったデザインはPDFで書き出し、Illustratorで読み込んだ後にSVGファイルとして画像を書き出します。SVGは低容量で高画質な画像を作り出すことができるファイル形式です。これを活用することでホームページの読み込み高速化を計りました。

 

3.4 審査員

当初は私たちGENIEが審査員を行う予定でした。しかし、実績が浅いことや、同年代の高校生に自分の挑戦を上から評価されるのには違和感を覚える人が一定数いるだろう、との意見があった為、審査員は大人の方でSDGsの有識者に行って頂く方式に変更しました。審査員の方からはルールに関して幾つか指摘を受けたので、Zoomを使用しながら話し合い、何度か修正をしました。特に、オウエン部門では審査基準の内容が難しく、手こずりました。

4.  コンテスト実施期間中

コンテスト実施中は私たちが想定していなかったような質問や応募が相次ぎました。具体例を以下に列記します。

4.1 改訂されるルール

当初は1人1作品までの応募に限定していました。しかし、応募数が伸び悩んだことや、「何回も応募したい!」という積極的な声があったことから、何回でも応募可能という形式に変更しました。また、「中学生でも応募をしたい」という声もあったため、中学生も参加可能に改訂しました。実際に、グランプリを獲った方の中に中学生もいます。

4.2 想像を超えた応募

コンテスト中は私たちの想像を超える応募がありました。意外と多かったのが、動画を提出したいという意見です。動画をOKにしてしまうと審査の公平性が崩れてしまうということで、動画は審査対象には含みませんでした。しかし、動画を配信することで前々項②の達成に貢献しました。更に、私たちの活動に感化された高校生が独自イベントを開くなど良い連鎖も見られました。

4.3 高校との連携

このコンテストは、自主的に始めたため、学校には事後承諾という形になってしまいました。学校側はフォローしきれないと言っていましたが、学校側もコンテストの趣旨に賛同し、学校全体の連絡ツールであるClassiなどを通して生徒に対して私たちの学校への宣伝をしてくださいました。実際に立命館守山高校生と思われる作品も見うけられました。コンテストを終了してから、学年主任から心配のお電話を頂きました。

5. 課題

 このコンテストではたくさんの課題が見えてきました。まず一番困ったのは情報伝達です。新型コロナウイルスにおける緊急事態宣言の中、対面で打ち合わせができずZoomを使った打ち合わせをしました。しかし、メンバーによって、解釈が異なり、メンバーの一人に役割が偏るように、効率がかなり悪くなってしましました。また応募された作品はチームのGoogleDriveに投稿し、名前順に保存していたのですが画質が大幅に落ちてしまい、応募者に再度画像の提出をお願いしたこともありました。更に、タイトルで応募作品を識別していたので作品の仕分け作業がかなり煩雑でした。エントリーナンバーをつけるなどの対策が必要だったと考えます。審査員への連絡が上手くできなかったのも課題です。外部との連絡は気づいたメンバーが行っていましたが、連絡を忘れてしまうことがあり、審査員の先生から指摘を受けることもありました。これらの課題から見えてきたのは、情報共有が不足していたという点です。GENIEは基本的に個人作業→チーム作業という形なのでこの課題は必然なのかもしれませんがまだまだ改善の余地、成長の余地があると思います。

6.宣伝

ビヨンド・コロナ・コンテストを開催しても、誰かが応募してくれなければ意味がありません。そこで、私たちはチームのSNS(twitterとinstagram)を立ち上げ積極的に宣伝活動も行いました。最初は身内をフォローするだけでしたが徐々にたの学生団体ともつながりを持つようになりより幅広い層に募集をかけることができました。感じたことはinstagramはtwitterに比べて閉鎖的で拡散能力が低く、ストーリーにURLを貼ることができないというデメリットがありましたが、逆にtwitterはFF(相互にフォローをしている状態)の立命館守山生が少なく、身内に広めるという点ではデメリットがありました。それ以外にも個人のSNS(facebookの投稿、LINEで発信)やClassiや学年のブログに掲載してもらうなどといった、地道な宣伝も行いました。

また立命館守山高校からの提案でCMを作ってYouTubeにアップロードしたりしました。CMはKeynoteで制作し、音声を吹き込む形式で制作しています。Keynoteで行った理由は、2日間である程度の形のある動画を作るのが大変と感じたからです。そこでは、今まで培ってきたスライド作成やチーム作業の経験を生かして、Keynoteで同時にスライドを編集し、Zoomでオンライン会議をしながら仕上げて行きました。だいたい初日は4時間ほどぶっ通しでZoomを繋ぎで、Keynoteでのスライド作成、アフレコ音声の原稿、収録などを行い、2日目に編集を行い、学校へ提出する流れとなりました。この動画は立命館守山高校の学校説明会にて流して頂きました。

またメディアを使った宣伝も積極的に行いました。プレスリリースとして、活動内容を書いた文書を市役所に投函し、数社のメディアが取材に来てくれました(オンライン上ですが)。また、大学生の方がメディアとの繋がりを持っていたので、その方経由で取材を受けたりしました。テレビやインターネット放送局、新聞、ネットニュースなどというように幅広いメディアにコンテストについて取材して頂きました。その甲斐あってか、コンテスト終了直前に応募が集中しました。またコンテストが終わったころに学校に取材に来ていたMBSさんの番組も少し出演させていただきました。

 

《メディア紹介実績(一部)》

オルタナS(5/22)に掲載されましたRIMIX事務局よりお知らせです。 2020年5月22日、オルタナSにBeyond COVID-19で「ビヨンド・コロナ・コンテス...
産経新聞(5/26)に掲載されましたRIMIX事務局よりお知らせです。 2020年5月26日付 産経新聞電子版に、Beyond COVID-19で「ビヨンド・コロナ・...
NHK(7/22)にてビヨンドコロナのプロジェクトが放送されましたRIMIX事務局よりお知らせです。 2020年7月22日、NHK「ひるまえほっと」にて、Beyond COVID-19で「ビヨンド...

7.コンテスト終了後

色々な方の手助けによりコンテストを無事終了することができました。しかし、最初に目的として設定した作品を世界に発信することが大切でした。そのため、instagramに応募作品を掲載しました。またホームページにギャラリーページを作成し、よりたくさんの人が見てもらえるようにしました。

他にも審査員が審査するときに見る作品ページの作成や、得点記入エクセルシートの作成、審査基準の一部改訂なども行いました。また、立命館大学Sustainable Week実行委員会さんからの資金提供により審査員特別賞を新設することもできました。

 

7.1 大失敗した審査員交流会

4名の審査員が意見交換する場所を設けてはどうかという発想から審査員が応募作品についてオンライン上で議論する機会を設けたのですが、準備不足で失敗してしまったと感じました。まず、オンラインを繋ぐ場所がありませんでした。守山市立図書館の一室を借りようとしたのですが値段が高かったため、チームメンバーが学校に戻って教室を使えないか交渉するも失敗しました。仕方なく、屋外でZoomを始めるもソーシャルディスタンスが守れていないと教員から指摘を受け、更に事前の準備(シナリオ作り)ができていなかったため無茶苦茶な審査会になってしまいました。野外で行っていたためチームメンバーの携帯でiPadにテザリングしたり。特大な蚊に12箇所刺されたりとかなり苦い思いをしました。Zoomが終わった後のチームメンバーの顔は憔悴しきっていました。この出来事ではGENIEの悪い点が如実に現れたと思います。それは期限ぎりぎりに動き始めたことです。どのコンテストでもGENIEはギリギリに動き始めていました。それでうまくいったこともありましたが、今回は全くうまくいきませんでした。計画性の大切さを改めて実感したところでした。

7.2 そして表彰式

審査会でグランプリと審査員特別賞が決まったので、次は応募者に結果を知らせる必要がありました。当初はYouTubeライブをしようとしていましたが、失敗する可能性が高かったので事前収録した動画をアップロードする形を取りました。急いでシナリオを作り、Zoom上で収録し、編集して公開しました。ちなみに編集ソフトはaviutlです。

7.3 表彰状・副賞の発送

表彰式が終わると受賞者に表彰状・副賞を送らないといけません。私たちの場合は、賞状とギフトカード、副賞の本を送る必要がありました。

賞状は知り合いの有段者の方に書いて頂きました。また、ギフトカードは、立命館大学Sustainable Week実行委員会様に出してて頂きました。副賞は審査員の立命館大学の山中司教授が執筆された本の発送にはレターパックを使いました。おそらく、費用を掛けずに受賞者に届けることができたと思います。

8. まとめ

今回は、コンテスト開催を高校生が主催するという普通の高校生活を送っていれば絶対にできないことを体験しました。このコンテストで目的を達成できたかは、実感は湧きませんでしたが、しんどいなと思うこともありましたが、個人として、あるいはチームとして成長は実感できたと思います。コンテストに出場するのとは一味違った楽しさも経験することができました。開催に協力して頂いた全ての人に感謝します。もしコンテストを作ろうとしている高校生がいたらこの報告書を参考にして欲しいと思います。

GENIE 奥西授 (立命館守山高校2年生)

 

 

SPECIAL THANKS

このコンテストは以下の方々の支援を受けて実施しました。

《主催》
GENIE
富岡大貴・奥西授・廣田七海

《後援》
立命館社会起業家支援プラットフォーム・RIMIX様
立命館大学Sustainable Week実行委員会様

《審査員》
上田隼也 様・田辺紀子 様・瀧野志帆 様・山中司 様

《副賞提供》
立命館大学Sustainable week実行委員会様(ギフトカード)
久角宜子 様(賞状)
山中司 様(副賞)

《その他の支援》
立命館守山高校様
岸本俊輝 様・吉武莞 様
鈴木舞奈人 様・多田圭吾 様・森岡賢哉 様
他多数

ご支援ありがとうございました。