はじめまして。立命館大学文学部4回生の髙島千聖と申します。
今回はGWに行われたSW LIVEの一企画「SDGs表現論LIVE」についてのプロジェクトレポートを書かせていただきます。
「SDGs表現論」は、立命館大学で1年前から始まった、オンライン・オフライン両方展開の新授業です。私はこの授業のES(授業アシスタント)を務めています。今回「SDGs表現LIVE」にて、授業を担当する立命館大学生命科学部の山中司教授と、立命館SDGs推進本部のイノベーション・オーガナイザーの上田隼也氏、ESの私・髙島と石原来美さん(食マネジメント学部3回生)を交え、「SDGs表現論」のリアルやこれからの大学に必要な教育などについてディスカッションしました。
「SDGs表現論」発足の経緯
この授業を立ち上げた上田さんは、SW LIVEを主催していたSustainable Week実行委員会の創設者であり、学生時代からマイプロジェクトを持って盛んに活動しておられました。上田さんは、活動を持続可能にするためには、体系的にやる必要があると感じ、その一つの手段として授業に着目していたそうです。また、当時生命科学部の学生だった上田さんは、社会学の授業で人生が大きく変わった経験から、授業の持つオフラインコミュニティの可能性に期待していました。そこでもっと多くの学生に機会を提供するために、英語でプロジェクト発信型英語(PEP)を行っていた山中先生に声をかけ、SDGs表現論が発足したそうです。
「SDGs表現論」について
SDGs表現論はとにかく好きなことをやっていい、というスタイルの授業です。
テーマは「マイプロジェクトを持ち、SDGsを自分ごと化すること」。
ただ流行だからってSDGsを謳っていても意味がありません。マイプロジェクトは必ずどこかで社会課題・SDGsに繋がっていると山中先生はおっしゃいます。
また、新型コロナウイルスの感染拡大で露呈したこの不確かな時代を生き抜くためには、学生がもっと能動的に学び、自ら課題解決のプロセスを回していく必要があると話されました。この授業を通してマイプロジェクトを立ちあげ、その上で大学の他の科目や専門的な知識を主体的に取りに行き、マイプロジェクトの幹を太らせていってほしいという想いがこの授業に込められています。
大学の役割は
上田さんは大学での他学部の学生や教授との関わりなど、オフラインの可能性をもっと引き出せば大学への期待度は高まるのではとおっしゃいます。
どの大学生も入学した時はモチベーションが高い傾向にありますが、大学の仕組みに染まる中で下がっていってしまいます。そこで早い段階で彼らにきっかけを与えられれば、そのモチベーションを維持しながら成長できるため、表現論のような授業という形でアプローチするのは有効だと考えます。
また、なにかやりたいけどどうしたらいいかわからない学生たちにとって、授業という枠組みの中で、先輩からノウハウを学んで仲間を増やして、お互い刺激し合いながら好きなことにチャレンジできるというのは、すごくいい機会だと思います。
ESのマイプロジェクトの紹介
SDGs表現論のESはマイプロジェクトの実践者です。LIVEでは、マイプロジェクトの紹介とそこにかける想いを語りました。
フードロスに関心のある石原さんは、食べ物目線で作成した、生産地から消費者の元で捨てられるまでの動画をVRでみてもらうというプロジェクトを行っています。
彼女はアルバイト先で出る大量のフードロスに疑問を感じ、食のありがたみを知るために実際に生産者さんのもとへ足を運びました。しかし生産者と消費者の距離が遠く分断されているため、なかなか日常の行動を変えることに結びつかないことから、最初から最後までを一貫してみせるためにこのプロジェクトを行ったそうです。
私は都市と農村を繋げる活動をマイプロジェクトとしています。学生団体オランアースに所属し、国内外の学生を京都北部の伊根町に連れて行ってボランティアを行ったり、北海道十勝で働く社会人を京都に連れてきて交流イベントを行ったりしてきました。この都市農村交流を通して、地域の暮らしや文化を未来に残すと同時に、皆さんの人生の選択肢を広げたいと思っています。
課題意識をアクションに変えるには
モヤっとした課題意識はあるけど、具体的にどういったアクションを起こしたらいいかわからない学生が大半だと思います。
そんな学生へのアドバイスとして、以下の3つがあがりました。
・本を読む
本は皆さんのモヤモヤをうまく言語化してくれています。本から得た気付きがマイプロジェクトの種になったり、マイプロジェクトを前進させたりします。
・自分のマイプロジェクトの種を発信する
「こんなのに興味があって…」と言ってみると、先輩や教授にいろいろ教えてもらえます。存分に彼らを利用してください!
・騙されたと思ってとにかくやってみる
動かないと何も始まりません。学生のうちは失敗してもいいんです。どんどん飛び込んでください。そして動くことの楽しさを知ってください!
SDGs表現LIVEを終えて
マイプロジェクト実践者の共通点は、とにかく「行動」している点でした。たくさん経験したからこそ、点と点が繋がってストーリーになり、マイプロジェクトを見つけられたのです。きっと皆さんの日常の中にもマイプロジェクトの種となるモヤモヤは転がっているはずです。それに気づいて、行動するかどうかが鍵です。
さて、今学期のSDGs表現論もオンラインで始まりました。まだやりたいことがわからない…と言っている学生が多く受講してくれています。これから一緒にマイプロジェクトを育んでいきましょう。皆さんの想いの詰まったマイプロジェクトのお話が聞けるのを楽しみにしています!
お読みいただきありがとうございました!