就活ができない今、プロジェクトを行う意味【学生ライターのビヨンドコロナ#4特別編】

こんにちは。2019年度立命館大学卒のteamRIMIXゲストライター・戸簾隼人です。

今、世界情勢は、保健衛生の観点ではもちろんながら、世界的な経済恐慌にも直面しています。そんな中、内定取り消しや入社延期、企業の倒産など、これから社会に出ていく学生の皆さんには耳の痛い話が多数、報告されています。

そこで今回は新型コロナウイルスの影響拡大する中の新卒社会人として、今、インターンや就活についてどうしようかと考えている学生、特に1〜3回生の皆さんに向けたお話をします。

*本連載「学生ライターのビヨンドコロナ」は立命館生のライターがお届けする記事ですが、今回は特別編で、卒業生の記事をお送りします。

「安定」の神話崩壊

大学を卒業して、もうすぐ3週。世間ではテレワーク導入や、新入社員向けのオンライン研修の実施など、コロナウイルス対策を打った企業が多く見受けられます。その一方で「すぐに雇い止めみたいになるかも知れない…」と本音をこぼす友人がいます。

彼は大手メーカー系の内定を手にしていた学生でした。何事も問題なく、安定した大手に就職し、安泰な人生を送れるはずでした。

「長いものには巻かれろ」とは言ったものですが、その「長いもの」ですら燃え落ちる危機に私達は直面しています。実際に日本経済新聞の発表によると、手元資金が尽きる企業が、半年で1/4までに昇るとのことです。このような状況によれば、一部企業ではリストラの加速は待ったなしです。

参考リンク
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO57960580R10C20A4MM8000/
https://nikkan-spa.jp/1659559

一方、安定といえば公務員が挙げられますが、こんなご時世、医療関係者とともに頑張ってくれている方々こそが公務員です。行政の財政の根幹が変わりかねない今の状況で、安定した給与や業務の保証は行われるはずは有りません。

こんな情勢の中、あなたは将来どのようにで活躍したいと考えていますか?それは今までの将来設計で達成できますか?

私たちはこれまで「ないもの」として認識していた「不安定」を直視し、生きなくてはいけない世代、それも、その最初の世代となってしまったのです。

一変した売り手市場に挑む

これはあくまで私たち、2019年度卒、ひいては2020年度卒の学生が直面する課題でしょう。これは応急処置的に、社会に身を従えながら、動くしかありません。

しかし、問題は「ビヨンド・コロナ」した後に社会に出る学生の皆さんです。

みなさんは現在のコロナウイルスへの対処を考えて、活動できる人たちです。つまり、企業からすると「このコロナ禍の中、大学生として何をしてきたのか」が直接見られる世代となるはずです。

そんな中、これまでの定石であったインターンや説明会の参加は就活に役立つのでしょうか。そもそも、インターンや説明会自体を企業が開催できる体力を持っているのでしょうか。

あなた達は確実に、これまでの十数年間、大学から巣立った学生らとは比べ物にならないほど厳しい状況に立たされるはずです。2019年年末まで「売り手市場」ともてはやされていた就活の現場はそこにはありません。

参考リンク
https://r.nikkei.com/article/DGKKZO57885670Z00C20A4LC0000?s=5
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202004/0013260995.shtml

企業に甘え、インターン・説明会などの受け身でいては就職できない時代にこれからは突入していきます。

その救世主となるものこそが、今回、ビヨンド・コロナがすすめるような「プロジェクト」なのではないかと、私は考えています。

プロジェクトからコアを創る

社会は一気に変わりつつあります。近い将来、殆どの企業が若者を育成するための力がなくなっているかも知れません。そのためにはまず、私たち自身が企業に選ばれるような、アドバンテージを作らねばなりません。

そのためには、自分たちの「コア」となる何かを育成し、我が物とする必要があります。いわゆるコアコンピタンスを持つということです。

コロナ禍の中、これを成し遂げるには「プロジェクトを生み出す企画力」「プロジェクトをやりきる遂行力」が不可欠と私は考えています。そしてそれを得るためには「プロジェクト」を立ち上げるしかないのです。

自分自身を例に挙げると、私は「水環境の改善」というプロジェクトを在学中に企画し、その活動を広げることによって、様々な技術の習得や業界の人々との強いコネクションを得ることができました。その実績が認められ、滋賀県内のアクアソリューションカンパニーに現在就業しています。

ここで言うプロジェクトに関する内容は「SDGs 表現論ープロジェクト・プラグマティズム・ジブンゴトー」にて詳しく語られていますので、ぜひとも皆さん受講してみてください。

「クリエイター」になることが鍵

現在、自分自身が新入社員として働く中、自分の友人などはみな「今ある仕事がもちこたえらえるかわからない、新しい仕事をしなくてはならない」と言います。

もちろん新入社員は、入ったばかりで会社がどんな状況になっているかわからないため、「新しい仕事をしなくてはならない」ことは、自分にとって難しいと感じるかも知れません。しかし会社としては「新しい仕事を生み出さなくてはならない」状況の方が遥かに深刻です。

理由は簡単で、今ある仕事がなくなるから。新しい仕事を生み出すことしか、企業が、個人が生き残る道は無いのです。もちろん、資本力を導入して耐え忍ぶこともできるように考えるのも重要ですが、それは事業主の考え方なので、直接、会社員が気にできることではありません。

こちらについてはTwitterでZOZO創業者の前澤友作さんが述べていることが非常に参考になります。
https://twitter.com/yousuck2020/status/1251703852560089090

こんな状況の中、学生の皆さんに求められる力は、前述したようにプロジェクトを実行することによって身につく「企画力」「遂行力」の2つだと思います。自らがプロジェクトを、企画を、モノを創り出すクリエイターになることこそ、インターンや説明会に参加するような表面的な努力よりも、社会出て求められるようになることは間違いないはずです。

今回は「就職」に焦点をあて、記事を書かせていただきましたが、実際の戦いは社会に出てからです。新型コロナウイルスとの熾烈な戦いは未だ始まったばかりです。皆さんの親御さん、大学の教職員、アルバイトの社員さん、さまざまな大人が今、生きるために戦っています。

どんなことをしていけば、将来、自分が生きるためのコアを「プロジェクト」を通じて見つけることができるのか。就活をする前に少し考えを巡らせて、このコロナ禍を皆さんで乗り越えていきませんか。