OIC CONNÉCT HAPPEN #8|株式会社IKETEL 松本栄祐さん

立命館とVenture Café Tokyoが毎月1回、立命館大学大阪いばらきキャンパス(OIC)で開催しているイノベーション促進プログラムOIC CONNÉCTは、「イノベーションは社会とつながるキャンパスから」をコンセプトに、新しい挑戦をしたくなるような機会を提供し、イノベーション・コミュニティを創出することを目指しています。OIC CONNÉCT、そしてVenture Café が大切にするミッションは“Connecting Innovators to Make Things Happen.” OIC CONNÉCTで生まれた新たなできごと“HAPPEN”を参加者や関係者へのインタビューからご紹介します!

第8回となる今回は、「ガッツとテックで日本のミライをつくる」をミッションに、共創とテクノロジーで地域と産業のアップデートに取り組み、「100年先も豊かな日本のミライ」をつくっている会社、株式会社IKETEL 代表取締役社長・松本栄祐さんにお話を伺いました。(取材:2025年6月)


松本栄祐さん
株式会社IKETEL
代表取締役社長

HAPPEN─ROCKET PITCH出場から浜松での実証実験に。きっかけはお隣のブース?!

製造業向け AI 企画・設計開発プラットフォーム「ラクション」を開発・提供するスタートアップ、 IKETEL。2024年8月、知人からの紹介で初参加したROCKET PITCH NIGHT KANSAI 2024(OIC CONNÉCT #25)にて登壇し、デモブースを出展した松本さんは、隣りあうブースだった浜松市と、同市のスタートアップ連携支援を担うfor Startupsの皆さんと出会います。

「“浜松の事業会社と課題が合いそうですよ” と声を掛けてもらい、後日オンラインで三者面談。驚くほどピタッと課題がハマったんです」と振り返る松本さん。

これがきっかけとなり、IKETELは浜松市のアクセラレーション枠組みを活用し、自治体 × 地場製造業 × スタートアップで実証実験を実施。ラクションが得意とする“企画〜設計の上流 DX” によって開発リードタイム短縮とアイデア創出数の向上を実証し、現在は本格導入フェーズへと進んでいます。

ROCKET PITCH NIGHT IBARAKI 2025でピッチを行う松本さん

“ガッツとテック”を支える原動力

松本さんらIKETELが掲げる「ガッツとテックで日本のミライをつくる」というミッション」。その根底には、”共創”に懸ける熱い思いと、日本を誰よりも愛する気持ちがありました。

若い頃、松本さんは日本を3周し、さらに5大陸を渡航するほどの旅を重ねてきました。「日本は、自然・インフラ・文化・歴史、すべてが高密度。島国ならではのユニークさが本当に誇らしい」と語ります。同じ都道府県に3度足を運ぶこともあったそうで、「地域の良いところを知った反面、昨今叫ばれているような地域課題、社会課題も実際に身を以て実感して、“日本をもっと良くしたい”という気持ちが強くなっていきました」と振り返ります。

そんな松本さんは、大手空調メーカーでの設計・開発業務を経て起業の道へ。起業して最初に取り組んだのはワーケーション事業でしたが、そこからマッチングプラットフォームへと事業を転換し、さらに現在の「ラクション」にたどり着くまで、何度もピボットを繰り返してきました。「実現したい目標にリーチしないと思ったら、その方法に固執せずにすぐ他の方法を試し、目標に辿り着けるようトライアンドエラーを繰り返しています。」と語ります。

実証実験の様子

現在、松本さんが注力しているのは、製造業におけるAI・データ活用。少子高齢化が進む日本でリソースの減少が深刻化する中、「シェアリングとテクノロジーこそが突破口になる」と確信しています。製造業に特化した理由は、「産業規模が大きく、上流工程に変革を起こせば、その影響は広く波及する」との考えからだそうです。

そんな共創の輪を広げるため、松本さんはイベントやSNSを通じて、出会った人にすぐアプローチする“即アポ”を徹底しています。「副業でなら手伝ってもいいよ」といった偶然のひと言も、彼にとっては貴重なチャンス。その一つひとつを確実に掴み取りながら、仲間を増やしています。

OIC CONNÉCTを使い倒す!松本流活用術とは?

「走りながら考える」と語る松本栄祐さん。
松本さんがOIC CONNÉCTなどのコミュニティやらネットワークの場をどう活用してきたのか、その流儀を聞きました。

まず大事にしているのは一歩踏み出してみること。忙しくても時間をつくり、顔を出してみる。するとそこで思いがけない出会いや話が生まれる。偶然を引き寄せるにはまず”足を運ぶ”ことだと語ります。

次に実践しているのが、「欲しい出会いを言語化してから参加する」こと。OIC CONNÉCTやイベントに参加する前に、「今日は○○業界の人と話したい」「○○の課題を共有できる仲間を探す」といった目標を、ペルソナとして明確にしておくことで、偶然の中にも意図ある出会いを生み出しているのです。

取材中の様子

さらに、ブースなどを出展している場合は、真っ先に隣のブースへ挨拶することも重要です。初動5分で相互紹介の可能性が一気に広がるといいます。
そして、話した相手との“次の行動”をその場で一緒に決めてしまうことも欠かしません。「あとで連絡します」ではなく、「じゃあ来週○日に打ち合わせしましょう」と即決で予定を押さえる。そのスピード感が、出会いを確かな“協業”につなげる鍵となっていると語ります。

松本さんはこう話します。
「スタートアップでも事業会社でも、OIC CONNÉCTは“課題を抱えている人”ほど効く。横のつながりをつくりたい地方企業こそ、一度行ってみてほしいです。ぜひガッツとテックで未来を語り合いましょう!」

協業シナジーを生む!意識していること4つ

1. 毎月必ず顔を出す – 運は“その場にいる人”に降ってくる
2. ペルソナを決めて立つ – 「今日は○○業界の課題を持つ人と会う!」と宣言しておく
3. 真っ先に隣ブースへ挨拶 – 初動5分で相互紹介の可能性が一気に広がる
4. 話したらその場で日程ブッキング – “後で連絡”は熱が冷める前にカレンダーを押さえる

IKETEL のこれから

「ラクション」を通じて製造業の企画・設計のDXを推し進めてきた松本さん。その先には、サプライチェーン全体の変革という大きな構想が広がっています。

「目指すのは、製造業における“共創OS”をつくること。産業構造そのものをアップデートし、日本をもっと良くしたいんです」

OIC CONNÉCTで出会い、つながり、共に“HAPPEN”を生み出す——
松本さんの挑戦は、これからも続きます。

松本さん、ありがとうございました!

PROFILE

松本 栄祐 Eisuke Matsumoto

設計・商品開発領域にイノベーションを起こし、製造業/産業をアップデートすることで、「100年先も豊かな日本のミライ」実現に取り組んでいます。

#ダイキンで設計・商品開発
#AI・データ活用/DX支援
#日本3周~/世界5大陸渡航

OIC CONNÉCT HAPPENチーム

菅原 龍佑(#世界基準)

立命館大学経営学部所属。OIC CONNÉCT 学生アンバサダー。
​​世界基準で価値を届ける事業を作ることが目標。高校時代に、プラントベースフードのイベント販売を開始し、大学1回生でWITH USコネクトとして事業化。さりげないサスティナビリティとしての理念「さりげなビリティ」を独自に掲げ、卸売や完全植物由来の栄養補給食の製造販売を行う。現在は神戸で経営を修行中。

玉井 芳果(#趣味は食事)

立命館大学経営学部1年生。OICコネクトアンバサダー。

高校時代は社会課題に取り組むユネスコクラブの部長を務めたり、琵琶湖の規格外の魚を再活用したふりかけを開発する模擬企業の副社長を務めた。大学では部活動や課外活動でアナウンスや司会業を学ぶ。


OIC CONNÉCTの雰囲気を知りたい方はInstagramをご覧ください!

OIC CONNÉCT

OIC CONNÉCTは、学校法人立命館が主催し、Venture Café Tokyoが立命館大学大阪いばらきキャンパス(OIC)で毎月1回開催する、誰もが無料で参加可能なイノベーション促進プログラムです。

これまでOICが培ってきた「地域に開かれたキャンパス」の特徴をさらに進化させ、大学の枠を超えた「ヒト・コト・モノがより触発しあうキャンパス」を目指す取り組みの一貫として開催していきます。

このプログラムは毎月開催することで、起業家や研究者、学生など多様な人が交流し、学び合う機会の提供を通じ、関西を中心としたイノベーション・コミュニティを創出することを目指します。多様なイノベーター達による講演やイノベーションを加速させるワークショップ等を通じて参加者は学びを得ながら、そこで得た共体験を梃子にネットワークを拡げることが出来ます。

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