【RIMIXオープンゼミ#5】 第2回 全員参加型ダイアログ イノベーションの最前線  開催レポート

RIMIX事務局です。
今回は、3/5に実施した【RIMIXオープンゼミ#5】第2回 全員参加型ダイアログ イノベーションの最前線 の様子を報告します。

RIMIXオープンゼミとは

RIMIXオープンゼミは、学校法人立命館の学生・生徒が、自分の興味関心に沿ったテーマを仲間と一緒に学び・共有する、オンライン・オフライン融合型の新しいコミュニティです。
本ゼミは、同じ興味関心に沿ったテーマの高校生・大学生が自由に参加でき、共に学ぶことができます。
また、学外ゲスト、ゼミのサポーターとして様々な分野で活躍している教員や現役大学生が、皆さんとともにコミュニティを作っていきます。
本ゼミは、課外プログラムとして、大学や高校ではなかなか出会うことがない外部のゲストとしてお迎えし、参加者の皆さんと一緒に学びを深めて行くことを目指しています。

今回のプログラム

第5回RIMIXオープンゼミでは、起業、新規事業、イノベーションについて関心のある学生を対象に、山口栄一氏 (京都大学名誉教授 / 立命館大学教授)をお呼びしたディスカッションを行いました。
今回のプログラムは、ソーシャルディスタンスを確保し感染症予防対策を徹底した上で、京都大学橘会館で実施しました。

また、前回同様これまでRIMIXオープンゼミにご参加いただいた学生の皆様を中心に招待制で実施しました。

講演「課題解決の方法論について」

今回は「イノベーション創生論」というテーマで山口先生が講演をしてくださりました。

山口先生ご自身が20年以上物理学の研究の道を進んだ後イノベーションの研究へと転身したことや、計5社のハイテク・ベンチャー企業の創業に携わったことなど様々な経験を織り交ぜながら「イノベーション」についてわかりやすくレクチャーしていただきました。

今回は、イノベーションの中でも「課題を解決するための方法論」に着目し、参加者全員がイノベーションの思考プロセスを学びました。

課題を解決するための方法論には「演繹法(Deduction)」「帰納法(Induction)」の大きく2つに分けられており、学校で学ぶのは1つの答えが導き出せる演繹法が一般的だそうです。
しかし、この2つだけではイノベーションを起こす発想にたどり着くことが難しいため、第3の方法である「創発(Abduction)」を身につけるべきだとおっしゃっていました。

「創発」という言葉は山口先生が命名され、演繹法・帰納法では必要とされない「ひらめき」を用いる推論方法だそうです。
創発による課題解決を試みることで、予測や意図を超えるイノベーションを誘発することができるため積極的に創発を身につけることが大事だとおっしゃっていました。

次に、大学生ができる「創発」のトレーニング方法をいくつかレクチャーしていただきました。
特に、普段から「なぜ?」と問題の根源を問い続けることが重要で、例えば大学の授業で教授の専門科目について「なぜ研究するのか?」「なぜこの授業を行うのか?」と質問してみることも創発力を鍛えるトレーニングになるそうです。

参加者からは、「どうやってひらめきの力を鍛えたらいいのか?」という質問が挙がりましたが、『普段から様々な物事を観察してみる。その中で少しでも違和感を覚えたことについて考え、どういった切り口から解決できるか探る癖をつけることが大事』だとおっしゃっていました。
しかし、まずは「学び」がないとひらめくこともできないため大学生のうちに専攻と違う分野やソフトウェア言語を学ぶことで、ひらめき力のストックをためる必要があるそうです。

講演「イノベーションとは何か?」

次に、「イノベーションとは何か?」という問いを参加者に投げかけ、従来考えられてきたシュンペーターによるイノベーションの定義を教えていただきました。

従来、イノベーションとは「経済活動の中で生産手段・資源・労働力などを今までと異なる形で新結合すること」とされてきました。
しかし、シュンペーターの定義では科学技術に基づくイノベーションの考察がなされていないそうです。
そこで、イノベーションとは「経済的・社会的価値を生み出すあらゆる改革行為のこと」であり単なる技術革新とは違うと定義することで、科学技術に基づくイノベーションも可能になるそうです。

また、イノベーションは「経営イノベーション」「技術イノベーション」「感性イノベーション」と、方向性から大きく3つの軸に分かれるそうですが、このほかに「破壊的イノベーション」が存在するとおっしゃっていました。

破壊的イノベーションとは、既存のアイデアを攪乱させて新しいものを創り出すイノベーションのことで、ハードディスクドライブが小型化を進める中であえてデータの容量を小さくするという例に挙げつつ、わかりやすく説明してくださりました。

参加者は、破壊的イノベーションの考えをより学ぶために「80年代の技術を例に、破壊的イノベーションを用いた新サービスを考案してくる」というお題が与えられました。

終わりに

第5回のRIMIXオープンゼミは招待制のため少人数で実施しましたが、参加者全員が積極的に参加し非常に学びのある機会となりました。
また、前回のオンラインでの実施とはまた違う臨場感や雰囲気があり議論が活性化しました。

RIMIXオープンゼミは今後も、感染症の拡大状況を踏まえつつ柔軟にオンライン・オフラインを組み合わせながら開催していく予定です。
ぜひご参加ください!

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