RIMIX事務局です。
4月12日(月)に実施した第7回RIMIXオープンゼミこれからの教育とは? 〜新しい教育の形を生み出す力〜Presented by Money Forward の様子を参加者の文学部3回生の安田享右さんがレポートします。
RIMIXオープンゼミとは
RIMIXオープンゼミは、学校法人立命館の学生・生徒が、自分の興味関心に沿ったテーマを仲間と一緒に学び・共有する、オンライン・オフライン融合型の新しいコミュニティです。
本ゼミは、同じ興味関心に沿ったテーマの高校生・大学生が自由に参加でき、共に学ぶことができます。
また、学外ゲスト、ゼミのサポーターとして様々な分野で活躍している教員や現役大学生が、皆さんとともにコミュニティを作っていきます。
本ゼミは、課外プログラムとして、大学や高校ではなかなか出会うことがない外部のゲストとしてお迎えし、参加者の皆さんと一緒に学びを深めて行くことを目指しています。
講演の概要
4月12日(月)に開催した第7回RIMIXオープンゼミでは、立命館朱雀キャンパスを拠点にオンライン・オフラインのハイブリッドで開催しました。Go Visions株式会社代表取締役 小助川 将氏/株式会社マネーフォワード執行役員 CoPA(Chief of Public Affairs) 兼Fintech研究所長 瀧俊雄氏にご講演いただきました。また、モデレーターは株式会社マネーフォワード/マネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社 ディレクター山本 華佳氏に担当していただきました。
開催レポート
まずは、小助川氏からGo Visions社の事業紹介を含めこれからの教育のあり方についてお話しいただきました。
小助川氏によると、幼少期の子供が持つ個性や好奇心を肯定し、伸ばし続けることが重要であり、同社が提供するオンライン教育サービス「SOZOW」を受講する子供達は自分の興味関心に沿ったプログラムを積極的に受講することで、才能や可能性を広げる子が多いそうです。
「SOZOW」ではデジタルテクノロジーを体験できるリアルイベントを展開しており、、11,000人の子供たちが参加される大人気のイベントだったそうです。
しかし、新型コロナウイルスの影響でリアルイベントが難しくなってしまったため、オンライン講座を開始。「ゲーム形式のプログラミング体験会」や「マインクラフトを用いた学習」「YouTuber講座」など様々な企画を実施し、オンライン・オフライン関係なく多くの子どもの好奇心に火を点ける活動に取り組まれています。。
これらの企画では、「大人が答えを用意してティーチングする」のではなく「子どもたちで自由に考えを発表してもらう」ことで自分と答えが違う人の意見を知り、子どもが主体的に学べる機会を提供しているとのことです。
次に、小助川氏が起業しGo Visions社で教育事業を始めたきっかけについてお話していただきました。
小助川氏が教育事業を始めたのは、自身のお子様が小学校に通っていた際に感じた現在の教育システムへの疑問がきっかけだそうです。
現在の教育システムは150年前から変わらず、「同じことを同じ方法で学び、均一的な人材を創出する」ためのシステムになっているため、情報技術が発達し学びの機会が多様化した現代において従来型の教育システムでは不十分な部分も多いのでは?と感じ、「SOZOW」といった、より自由な教育の機会を提供されはじめました。
Go Visions社では「好奇心が持つ力」を大切にされているそうです。
起業家をはじめとした新たなチャレンジをする人は、すべて好奇心に突き動かされて行動していると語り、。一方で、現代の日本では「周りと同じ」であることを求められる同調圧力が大きく、周囲と違うことをしていると否定されてしまう環境であるために「1人1人違う好奇心があってもいい」という社会を作る活動に力を入れているそうです。
次に瀧氏からマネーフォワードの事業紹介を行っていただきました。
マネーフォワードは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションを掲げており、人生を豊かにするために必要不可欠なツールである「お金」と向き合う機会を提供し、よりよい社会創りに貢献しているそうです。
瀧氏はマネーフォワードでパブリック・アフェアーズ活動を担当しており、サービス作りだけでは届けられないビジョンの追求のため、1歳児から首相まで幅広く講演をはじめとする様々な活動を行っていらっしゃいます。
お話によると、20代が抱える一番の悩みは「今後の収入や資産の見通し」に関する項目で、結婚や出産に関する一番の障壁もお金にまつわる問題が挙がるとのことでした。
このように若者の多くを悩ませる要因である「お金」にまつわる問題ですが、国内の教育現場では教える側の教員も、金融に関する十分な知識を学ぶ機会が少なく、世界の金融教育と比べても、日本は38位と先進国間ではかなり遅れをとっているそうです。
投資の方法など難しい金融教育より、まずは「契約の仕方」「1ヶ月の収支の見方」「半年後に大きな支出がある場合の対処方法」といった基礎的な金融教育が必要だとお話されていました。
マネーフォワードでは、金融リテラシー向上の取り組みや金融教育などを通してミッションの実現に向けて活動しているそうです。
一世代上までは、経済成長とともに共助や公助といった制度が手厚く供給されており、お金に関するリテラシーが無くとも「なんとかなる」という状況があったのではないでしょうか。しかし、少子高齢化が進む今後の社会では「個」のスキルやリテラシーが重要視されつつあります。リテラシーを身につけるためにも、「生きた教育」を通して経験を積むことでお金に関する知識を身につける必要があると感じました。
Q&A
Q.コロナになって教育業界にどんな変化があったと感じますか?
A.それぞれの立場によって良い点悪い点があると思いますが、今の教育システムに疑問を持つ人が増えたのではないかと思います。それが私にとってはポジティブでした。そしてこれからは柔軟に変化できる人が自分らしく生きやすく、昔のやり方や常識に固執しすぎると生きづらくなる可能性があると思います。
Q.現状の日本の教育システムだと教育のチャンスを与えられるのは保護者だと思いますが、親世代に対する教育についてどう思われますか?
A.これからの時代に対して「不安」だと思うか、「変化して面白い」と思うかで変わってくると思います。教育が変わっていくのであれば、それは親は経験したことがないものになります。経験したことがないことは選択肢に入ってこないので、子供にも選択肢として教えることができない。親も今起きている変化に対して好奇心を持ったり、チャレンジできると子供にもより多くのチャンスを提供できるようになると思います。
Q.自分は何事もあまり興味がないと言う子供にはどのようなアプローチをしますか?
A.選択肢を出して自己決定させることをします。こちらから決定はせずに、あくまで選択肢を提示して決めてもらうことですね。
おわりに
今回のRIMIXオープンゼミでは、Go Visions株式会社/株式会社マネーフォワードからお二人に講演していただいたことで、現代の教育システムが抱える問題や金融教育の重要性など多角的な視点で「教育」について学ぶことができました。
改めて、「教育」の重要性を認識すると共に、これからの社会で求められる教育システムや教育事業のサポートの必要性を感じました。
特に質疑応答では学生から多くの質問が飛び交い、議論が白熱したため学生の皆さんも興味を持って参加していただけたのではないかと思います。
今後もRIMIXオープンゼミを実施していく予定ですので、是非ご参加ください!