立命館社会起業家支援プラットフォームRIMIXが2020年4月16日に立ち上げた、オンラインコミュニティ「Beyond COVID-19(ビヨンド・コロナ)」。これまでに99のプロジェクトが立ち上がり、学生や事務局による90の記事を発信。約12万以上のアクセスを頂き、コロナ禍の学生コミュニティとして大きく成長しました。
立ち上げ1年を記念し、プロジェクトオーナーとしてプロジェクトを立ち上げた学生・生徒たちのその後を追った連載記事をお届けしています。
第1弾・第2弾の記事はこちら▼
RIMIX事務局です。今回は、「ビヨンド・コロナ・コンテスト」を開催したGENIEの
廣田七海さん(立命館守山高校 新3年)奥西授さん(立命館高校高校 新3年)富岡大貴さん(立命館大学理工学部 新1年)にお話を伺いました。
ビヨンド・コロナ・コンテストとは、2020年の5月にGENIEの3人が開催した全国の中高生を対象としたオンラインコンテストです。
昨年度は、新型コロナウイルスの影響で中高生向けの様々なイベントやコンテストが中止になっていました。GENIEの3人が出場する予定だったキャリア甲子園(日本最大の高校生向けビジネスコンテスト)の決勝も中止になってしまったそうです。
そこで、自粛期間に自分たちにできることはないかと考え、「高校生の自分たちが全国の中高生の挑戦の機会を作りたい!」と考案したのがビヨンド・コロナ・コンテストだそうです。
ビヨンド・コロナ・コンテストは5月1日〜31日の1ヶ月間に全国の中高生から81件もの応募が集まりました。またNHKや産経新聞からの取材を受けるなど、大きな注目を集めました。
ここからは、3人へのインタビューをお届けします。
ビヨンドコロナコンテスト発足の経緯について
富岡 3人で出場予定だったキャリア甲子園の決勝が新型コロナウイルスの影響により中止になってしまい、「何か行動を起こしたい」と思った次の日にはHPを制作し始めました。HTMLやCSSを使用したHPの作成は初めてでしたが、HPの制作後にビヨンドコロナコンテストの企画書を作り始めるなど、積極的に行動を起こすことができたと思っています。
奥西 3人とも思い立ったらすぐに行動に移すタイプのため、3人で電話しているときに「自分たちでコンテストを作ってしまえばいいのではないか?」という話題になり、すぐに実現に向けて行動することができたと感じています。
廣田 私が「こういったことがしたい」と2人につぶやくと、HPを作ってくれたりと実際に形にしてくれて、実現することができました。2人と行動を共にすることでチームとして高め合うことができ、共に頑張ることができていると感じています。
プロジェクトを通して学んだことや成長を感じたことはありますか?
富岡 まず、オンライン下でのコミュニケーションの大切さを学びました。情報を発信する際に「どうしたら応募してくれるのだろうか?」と考えギフト券を用意したり、SNSのダイレクトメッセージを1日に100件ほど送ったりしました。
しかし、実際に参加してくれる中高生は「コンセプト」に共感して参加してくれているのだと気づきました。
HP製作を一人でするのは結構簡単なことですが、しかし一人ですると仕事過多になってしまうため、自分の仕事をうまく分散させるための共同作業に苦労しました。私はデザインに自信があり他のメンバーに譲れないところもありながらも、共同で作業し妥協点を作っていくところには苦労をした記憶があります。
また、ビジネスコンテストのような机上の空論ではことが進まないため、実際に企画を駆動させるとなると現実的なところで悩むことが出てきたので、ビジコンと違った面白さや難しさがありました。
奥西 富岡さんと同じく、オンライン下でのコミュニケーションの大切さを学びました。
実は、企画から開催までメンバーが対面で会うことは一度もありませんでした。企画を進める上で、連絡を取り合うことや共有することの難しさを感じました。
オンラインでのコミュニケーションの難しさを学ぶと共に、対面だと出会うことのできないような方々と話すことができたという点では良かったと思います。
廣田 私は特に、審査員の方々向けの交流会で学びが多かったです。審査員交流会では私たちの準備不足から審査員の大人の方々を待たせてしまいました。
その場限りの勢いだけではなく、事前準備がいかに大切かを痛感し反省しました。
また、公式LINEを運営する際にもメンバー間で返信方法が異なるなど齟齬が生じてしまったため、しっかりとコミュニケーションを取り合う必要があったと感じています。
富岡 ビヨンドコロナコンテストでは作品の提出をGoogleフォームではなく公式LINEにしたんですよね。中高生はメールアドレスを持っていない人も多いと考え、より馴染みの深いLINEを活用しようと思ったんです。
廣田さんの言うとおり、返信形式の違いや通知の有無によるトラブルも発生しました。
奥西 確かに公式LINEを使用した集計にはかなり苦労しましたね。計81件の応募全てを手動で集計しました。コンテストに参加したことは何度かありましたが、運営側は初めてだったので、コンテスト運営の難しさを学ぶことができました。
今後どんなことにチャレンジしたいですか?
廣田 1月に守山市で行われた「もりやまキャリアチャレンジ」というビジネスコンテストに出場しました。そこからの3ヶ月間は「自分がワクワクすることって何だろう?」と思い自身の軸を見つけるための活動をしてきました。
現在は、国際的な課題にフォーカスを当て貧困問題を解決したいと考えています。どのように社会問題を解決するべきか学ぶために、JMOOCでも開講されている立命館大学の「SDGs表現論」を受講するなど様々な方からお話を伺っています。
奥西 高校1年生の時にはロボット制作に力を入れていました。高校2年生の時には総長ピッチをはじめとしたビジネスコンテストに出場し、ビジネスプランの考案方法などを学びました。高校3年生ではこれらの学びを生かし、集大成として何か1つ行動を起こしたいと考えています。
これまで行動してきて思ったことですが、自身に何が起こるか・何をしているかはわからないと思います。まずは人との偶然の出会いを大切にすることで、様々なチャンスに巡りあえるのだと感じています。
富岡 春休みには、母校である立命館守山高校に通う生徒のためにバスの時刻表が表示されるアプリを制作しました。守山市長にお話する機会があったときに、このアプリもお見せしましたが、ぜひ活用したいという声もいただきました。
4月からは大学生になり環境が大きく変わるため、具体的な目標はまだありません。今は新型コロナウイルスの影響もあり人との出会いが少ないため、まずは一緒にプロジェクトを立ち上げたりできる仲間が欲しいと感じています。
そして、これから行動したいと思っている中高生の皆さんにはコミュニティを大切にしてほしいと伝えたいです。学校外だろうと自分が興味があることをしている人たちのコミュニティに自分からアポイントメントを取ることが大事だと思います。特に今はSNSも発達しているので、それを駆使して行動に移すべきだと思います。僕でも良いので連絡をお待ちしています!
今回のインタビューを通して、ビヨンドコロナコンテスト発足までの経緯やメンバーの方々の思いを知ることができました。
3人が出場予定だったビジネスコンテストが中止となってしまったことへの想いを昇華させ、自分たちでコンテスト作るという行動力の高さに驚きました。
今後も、各方面でアクションを取り主体的に行動し続けてくれるだろうと思います。ご活躍を願っています!