【小学校】新素材を生み出すことってどんなこと?バイオプラスチックのワークショップを開催!

2月12日、立命館大学びわこ・くさつキャンパス バイオリンクにて、立命館小学校アントレプレナープログラムシッププログラム「バイオプラスチックワークショップ」を実施しました。

講師

立命館大学 生命科学部生物工学科
三原 久明 教授

兵庫県立工業技術センター 材料・分析技術部
主任研究員 今井 岳志 博士

バイオプラスチックとは?

ワークショップの前に、三原先生と今井さんが研究・開発をされている新規バイオプラスチックのご説明をいただきました。

まずは、目に見えないけれど、様々な物質を分解するという重要な役割を担う微生物について理解を深めました。通常のプラスチックは微生物が分解しにくく、環境に残り続けることで様々な問題が発生します。そこで近年、微生物が分解できるプラスチックの開発がされています。

現在では、微生物が分解できる生分解性プラスチックと、トウモロコシなど生物由来の原料で作られたバイオマスプラスチックの2通りを、バイオプラスチックと呼んでいます。お二人の開発された新規バイオプラスチックは、廃油も含め、多くの種類の油を原料にすることができかつ生分解も可能となるため、両方の意味でバイオプラスチックである非常にエコフレンドリーなもので、実験中に偶然発見されたとのこと。

児童は、微生物についても、バイオプラスチックについても初めて知ることばかりで、目を輝かせて聞いていました。

新規バイオプラスチックは何に役立つ?

お二人の開発された新規バイオプラスチック(Fatty Acid-Derived Polyelectrolyte、FADP)は、親油性および親水性の両方の性質を有しています。この特徴から様々な粒子や繊維となじみが良く、混ぜるものによって多様な用途を想定することができます。

今回は、FADPとセルロースを混ぜたものをワークショップで使用しました。この複合物は、加熱することで反応が進み、高強度のプラスチックになります(構造は漆に似ているのだとか)。現在、実用化に向けては、反応の過程で黒くなる、薄くならない等のいくつかの課題があります。児童は、この特性を課題とせずに、特長とするような活用方法についても議論を交わしました。

新規バイオプラスチックを成形してみよう!

理解が深まったところで、材料(新規プラスチックFADPとセルロース)に水を入れて粘度を調整し、指で練って成形する過程を体験しました。
この粘度調整が難しく、新しい素材を実用化する研究開発の過程を肌で感じさせていただきました。

児童は、プラスチックをこねることができるという普段できない体験にワクワクと取り組んでいました。

焼成、硬化後のバイオプラスチック。

三原先生の研究室を見学

ワークショップ後は、応用分子微生物学研究室をご案内いただきました。新しい微生物や微生物による有用物質の生産への追求に対する三原先生の情熱的な説明を伺う中で、児童には、「生物ってなに?どういう現象?」「新しい物質を作るってどういうこと?」という根源的な疑問が次々生まれ、先生を質問攻めにしていました。

三原先生からは、「このような子どもたちのキラキラした感性や意欲をうまく日本の科学技術発展に繋げていければ、日本の未来は明るくなります」とのお言葉をいただきました。


新規バイオプラスチックに関する詳細情報はこちら!

カーボンニュートラル化も実現!廃油も再利用可能なバイオプラスチック
http://www.ritsumei-seeds.jp/873

立命館小学校アントレプレナーシッププログラムとは

本プログラムは、立命館小学校6年生の児童が多様な体験をすることで多様な視点ややりたいことを持つことを促し、自身のテーマを追及することで、今後のアントレプレナーシップの育成へ繋げることを目的にしています。

プログラム内容
・課題+やってみる を繰り返す
・立命館大学理工学部 AIOLでものづくり体験
・東京スタートアップツアー
・自身のテーマを設定、理解を深める
・Impact Makers Dayでプレゼンテーション
・バイオプラスチックワークショップ
・報告会

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